ドメインの定義、事業の定義は、少々抽象的であり、その本質を掴むことは誰もが簡単にできるほど、浅くはないでしょう。
これらの議論において、しばしば引用される有名な話があります。
カール・ワイックという異端の組織論者が好んで引用するという。
ハンガリー軍の中尉がアルプス山中に少人数の軍隊のチームをはするというところから始まる。
そのチームは、出発するころとちょうど同じタイミングに、雪見舞われる。
やがて、大変な吹雪となり、彼らは2日間たっても、帰ってこなかった。
中尉は心配になり、「今頃どうしているのだろうか。もしやこの吹雪に・・・」と、大変心配になる。
3日目、になってやっと彼らは無事に姿を現す。
「いままでどうしていたんだ？」と中尉は尋ねる。
すると彼らはこう答えた。
「吹雪の中で道に迷ってしまい、吹雪が止むのをじっと待っていました。すると隊員の１人がポケットの中に地図が入っているのを思い出しました。
皆それを聞いて安心し、自分たちの現在地点と本隊への帰還ルートを確認することができ、その地図を頼りに戻ることが出来ました。」
中尉がその地図を見ると、実はそれはアルプスの地図ではなく、ピレネー山脈の地図だった。
この話の本質は、地図は必ずしも現実の地形を表している必要はなく、地図という指針、あるいは見通しがあるだけで、パニックに陥らずに、冷静な判断をしやすくなるということです。
この地図を、定義と言い換えれば、イメージしやすいのではないでしょうか。
いかがでしたか？
人間は、先が見えないとなった途端に不安を感じる。
そして迷いが生じ、時に間違った選択をしてしまうことがある。
皆の方向性を正しい道に導くために、ドメインの定義が必要となるではないでしょうか。