先日、東北にある新築の住宅会社のお客様インタビュー制作のため、東北に行ってきました。
今回は、おうちを建てられた3組のお客様(私から見るとお客様のお客様です。)にご協力頂き、
おうちを建てられてからの率直なご感想をお聞かせ頂きました。
そこで、以前には見えていなかったインタビュー制作の意義を感じる事が出来たため、記事にさせて頂きます。
インタビューの目的について
少し前置きを挟みます。
HPにおいて、購入やお問い合わせや等の反応を取るためには、ビジネスモデル毎に掲載しなければいけない情報があります。
ビジネスモデルごとのKBFと優先度が高い差別優位要因の例
※KBF:Key Buying Factor(購買決定要因)=「この商品を買うとき、これが満たされなかったら(わからなかったら)買わないだろう」という要素
※差別優位要因=KBFを満たした競合と比較検討されたときに、有利になる要素
上記の項目に自社のHPを照らし合わせて見た時、今回お手伝いさせて頂いた住宅会社さんのHPには顧客事例が掲載されていないという課題がありました。
そのため、お引き渡しの終わったお客様にご協力頂き、インタビュー形式で率直なご感想をお聞きすることになった経緯があります。
インタビュー開始
さて、今回取材させて頂いたのは3組のご家族。
いずれも、ご自宅のお引き渡し後1年未満の住宅になります。
同行頂いたスタッフの方も、お引き渡し後初のご訪問で、どんなご感想を頂けるのか少しドキドキされているおもむきでした。
以下のような項目に沿ってインタビューを進めました。
■主なインタビュー項目
― 会社を知るに至った経緯
― 家を建てられるに当たってのご希望やお悩み
― 数ある住宅会社の中で、なぜ当社を選んだのか
― 工事中のお気持ち
― スタッフの対応はどうだったか
― 家を建てられてからその後
3組ともお客様をお知りになった経緯は、見学会告知のチラシや、HPの検索等それぞれでしたが、
― 「難しい要望もすぐに無理だと言わずやってみますと、出来るだけ希望に近づくように対応してくれた」
― 「希望していたみんなが集まる家が建てることができて本当に嬉しいです。」
― 「なんでも相談してくださいと言ってくれるので、家を建てた後も心強いです。」
― 「柔軟に対応してくださったおかげで安く済ませて頂けました。」
― 「要望もほとんど叶えていただきました。」
― 「この値段でここまでしてくれるのか!」
― 「他社でいいなと思ったところを頼んだら実際に再現してくれたのも嬉しかった」
― 「不安なことが色々ありましたが、その都度相談にのってもらえて解決していけました。」
などなど、どの組も満足度がとても高く、感謝のお言葉を述べられていてスタッフさんも一安心。
また、生のお声を頂いた事で今後の参考にもなったとの事。
インタビューの意義
インタビュー内容を、HPに事例として掲載するメリットは2点上げられます。
1、「ストーリー性が出て商品やサービスの擬似体験ができる」
家を建てるに当たってどのような流れで進行していくのか。
不安や要望をどのような方法で解決してくれた等々。
2、「実績、証拠としてのバックアップになる」
自社の自画自賛のPRではなく、商品を買っている実際のユーザーからの評価、
つまり「他者からの賞賛」となるため信用度が増します。
特に今回のような一生に一度のお買い物になるような高額商材を扱われる業種では安心感を与えることも出来るため、有効です。
インタビューをしてみて感じた事
HPにおけるお客様の声や事例は、反応を取る上でいわゆる“キラーコンテンツ”として位置づけられておりましたが、
最近では消費者のリテラシーの向上によって以前より効果がなくなってきたと言われる事もあります。
しかし、本当にそうでしょうか?
私はそうは思いません。
インタビューはただ単にPRに使えるというだけではなく、思わぬ「副産物」があります。
インタビューで出てくるユーザーの声の種類には大きく分けて2つあります。
1、商品に対する評価
2、会社に対する評価
この評価を紐解いて行くと「自社が他社と違う点」「自社の強み」「自社の弱み」がユーザーの声を通して初めて明確になります。
単に顧客事例をHPに掲載するコンテンツとして捉えるのではなく、HPや広告の訴求を考え直す貴重な材料にもなります。
極端な話ですが、自社の強みは何だろうか?を考えている暇があれば、実際にユーザーに聞く事で、
より早く、そしてより深く集められるという事です。ユーザーの声強しです。
この事は今回のインタビューで得た1番の学びでした。
「自社の強みを明確にして、他社との差別化を図りたい」と思われる会社やマーケティングご担当者は、
一度インタビューを実施してみる事をおすすめします。