「相対性理論」を説いたアルベルト・アインシュタインは来日した際、ある日本学生にこう質問されたそうです。
「なぜ人間は生まれてくるのですか?」
この質問に対してアインシュタインは一言で答えました。
「人の役に立つためです」
申し遅れました!自称ジーニアスウェブの「赤い彗星」加藤です。
先週からジーニアスウェブでお世話になることになった新参者ですが、この度ブログを書かせて頂くことになりました。
マーケティングや学んだ事を中心とした記事をバンバン発信していきたいと思います!宜しくお願い致します。
さて、なぜ冒頭でアインシュタインの例を挙げたかと言いますと、今回の記事のテーマである「顧客満足」について考える際、大きなヒントになると思ったからです。
皆さんは「企業はなぜ存在するのか?」という問いにどう答えますか?
答えはそれぞれあるかと思いますが、私は恐縮ながらアインシュタインの言葉を言い換えて、「顧客の役に立つためです」と答えます。
「顧客満足」を追求しなければ企業の存在価値はないと言っても過言ではありません。
当たり前のように聞こえるかもしれませんが、実はこの「顧客満足」という考え方はしばしば「顧客のニーズを満たす」という事と混同され、誤解されていることが多いんです。
では一体「顧客満足」とは何でしょうか?本日はこの企業の永遠の課題について考えてみたいと思います。
顧客が満足を感じる時
まずは「顧客満足」とは何かを改めて考えてみましょう。
どういった時に顧客はサービスや製品に満足を感じるのでしょうか?
アインシュタインが「相対性理論」の難解な概念を一つの「E=mc2」という数式にまとめたように、「顧客満足」の解も以下のようなシンプルな式で求めることができます。
顧客満足の式
顧客が感じた価値−事前期待値=顧客満足
ある企業が顧客の要望に100%応えるために100%の価値を供給した時、つまり「顧客のニーズを満たした時」の数字を上の式に当てはめて見ると以下のようになります。
100(顧客が感じた価値)−100(事前期待値)=0(顧客満足)
そう!0点なんです!あれだけお客様の要望に応えるために汗水垂らした努力も水の泡です。これでは顧客の役に立ったということにはなりませんね。
つまり、企業が「顧客満足」を得るためには、顧客の事前期待値を少なからず超えなければならないと言う事ができます。
「製品サイクル」と「顧客満足」
あらゆる業界の製品にはサイクルがあります。
既存の製品から新しい製品へのサイクルが起きる際の顧客の価値移動をガラケーがスマートフォンに取って代わられた背景を例に考えてみましょう。
ガラケーや日本製のTVリモコンなどの製品は、登場した際は少なくとも顧客の事前期待値を上回った製品でした。しかし、やがて臨界点に達した後は「顧客の期待値を上回る」のではなく、「顧客のニーズを満たす」路線に走ったため、後に台頭したスマートフォンに市場シェアを奪われてしまいました。
その証拠に、ガラケーや日本製TVリモコンはあらゆるボタンが端から端まで付けられており、一生使わないようなボタンまであって逆にわかりづらいですね。
一方スマートフォンを始めとした製品はどうでしょうか?スマートフォンのデザインはホームボタンがあるだけで非常にシンプルかつ直感的に理解しやすくなっています。
ガラケーとスマートフォンの対比を顧客満足の式にまとめると以下のようになります。
顧客が感じた価値 − 顧客の事前期待価値=顧客満足 | |
ガラケー | 100 − 100 = 0 |
スマホ | 200 − 100 = 100 |
まとめ
弊社の大阪オフィスには世紀の大物理学者アインシュタインの顔がいくつも描かれたカオスな絵画が飾られています。
出勤する度に数人のアインシュタインに「お客さんの役に立たなアカンのやで〜」と言われているような気がして若干やりづらいですが、大きく超えることができなくとも少し超えるところから始め、それを積み重ねて行こうと絵を見るたびに思います。
私の第一回目の記事は「顧客満足」についてお話しさせて頂きました。
企業活動における根本的な概念で、中々つかみどころのないものですが、式を用いて視覚的に捉えてみる事で何かしらのヒントにして頂ければ幸いです。では。
参考:100円のコーラを1000円で売る方法 著:永井孝尚