さて、これまでの7回で「検索キーワード広告」を出す準備をしてきました。
あとは広告を出すのみと言いたいところですが、その前に「審査」に通らなければなりません。
せっかく一生懸命タイトルや広告文を考えたのに、審査落ちしてしまっては苦労が水の泡です。
今日は、審査落ちを未然に防ぐために、その原因をさぐってみようと思います。
今日お話しする内容は、インターネット広告に限らず、広告全般やホームページ作成に共通する部分もありますので、ぜひご覧ください。それでは始めましょう。
以下の広告を見てみましょう。
ちょっとやりすぎた感がありますが、この広告はおそらく審査落ちします。
どこが悪いのか見ていきましょう。
1.使ってはいけない記号がある
■GoogleもYahoo!もそれぞれ使用できる記号が指定されています。また広告タイトルと広告文でも、制限が異なる場合があります。全角、半角の違いもあります。
■基本的には「必要最低限の記号」以外は、使わないほうがベターです。ちなみに、Yahoo!は使用できる記号の一覧表がありますが、Googleは無いようです。
上の広告では下線部1の記号→は使用できません(YDNは除く)
2.記号の使い方にも制限がある
■使用OKな記号なら、どんな使い方をしてもよいというわけではありません。不必要に連続して使用したり、本来とは違う使い方をすると、審査落ちします。
上の広告では下線部2の記号!は連続での使用はできません
【参考】
Yahoo!スポンサードサーチ 入稿規定、文字・記号を使用する際のルール
Googleアドワーズ テキスト広告の要件、編集基準と要件
■私の失敗談としては、Googleで追加登録した広告グループデータをそのままYahoo!にインポートしようとした際、
①Googleでは広告タイトルおよび広告文にて「/」半角スラッシュが使用できたが、Yahooでは使用不可。
②Googleでは広告タイトルおよび広告文にて同じ記号「/」を3回以上使用できたが、Yahooでは使用不可。
※ここでいう3回とは、広告タイトル・広告文1・広告文2併せて3回ということです。
③「/」に置換したが、半角と全角で文字数のカウントの仕方が異なるため、広告文の微調整をすることに。
なかなか手間がかかってしまいました・・・。
広告文などを考える際は、ある程度Google・Yahoo!の決まりを確認しておいて、主要な制限にかからないように作成し、そののちで、記号や文字数などの微調整を行うと良いかもしれませんね。
3.国の法律で制限されている表現がある(景品表示法、旧薬事法)
(1)景品表示法
■ここが一番、初心者がひっかりやすいところかと思います。景品表示法の中でも、特に「比較広告」に関する事項は注意が必要です。消費者庁のHPを調べてみました。
【参考】比較広告に関する景品表示法上の考え方
■ざっくりといえば、自社の会社の商品の特徴、優位性を伝える際に
①具体的な数値がない(実証されていない)のに他社と比較している
②お客様にとって重要でない項目をあたかも重要であるかのように比較している
③ただ単に、他社やその商品を誹謗中傷している
ような広告は不当表示にあたる恐れがありますよ、と書いてあります。決して、比較することを全て制限しているわけではありません。
■①によると、ネットでほんの数件比較したりしただけで、 「業界最安値」「NO.1」のような最上級表記をすることはアウトということになります。
上の広告の下線部3も怪しいですね。
では、具体的な数値をあげれば良いのかというと、そうではありません。調査方法についても決まりがあり(先ほどのリンク参照)、それをクリアした数値が、根拠のあるデータということになります。
自社の最大の特徴などで項目でない限りは、最上級表現をすることは避けたほうが良いかもしれません。
(2)医薬品医療機器等法(旧薬事法)
■一瞬、なんの法律かと思った方もいるかもしれません。実は、薬事法は2014年の改正時に名称が変更になっています。正式名称は「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」だそうです。長い・・・。
■旧薬事法では「医薬品、化粧品、医薬部外品、医療機器」について定めており、それぞれについて広告に関する規制があります。医療関係や化粧品関係の企業は要注意です!
【参考】薬事法ドットコムHP
■共通している部分で、特に押さえておいてほしいのは、以下のとおりです。
①法律上、承認されている効能効果以外はダメ。
②「よく効きます、すぐ効きます」などの誇張表現はダメ。
③使用前・後の画像(写真)、使用体験談はダメ。ただし、医薬品(目薬)や化粧品などの広告で、使用感などを説明するのはOK。よく、テレビなどの通販でタレントさんを見かけますが、商品の説明をするのはOKなんだそうです。ややこしいですね。
上の広告の下線部4は違反となります。
4.広告自体ではなく、LP(リンク先のページ)に問題がある
■以前からお話ししていますように、検索キーワード広告においては、検索されるキーワードと、 広告内のキーワード、広告文、そしてLPも関連性がなけれなりません。
LPと広告の関連性がない場合や、LPページが規約違反の場合はもちろん審査落ちとなります。
5.その他規約に違反した内容を含んでいる
■最近は特にYahoo!が審査が厳しいようです。法律上はOKな事項でも、違反になる場合があります。
■対策としては、一度規約を読んでみましょう。私もざっくり読みましたが、なかなかのボリュームでした。全てを覚えることは不可能ですので、あとは実際に審査落ちした際に、その都度原因解明をするようにしましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
使用できる・できない記号については、広告作成時に間違っていればエラー表示されるので、そこで覚えていくのが良いかもしれません。
また、自社の商品をPRしたいがために、つい誇張気味な表現になることは誰にでもあり得ることかと思います。その際は、今一度客観的になって、「この表現はどうかな」と考えるように意識しましょう。
次回は広告の運用と監視について、お話しします。お楽しみに!