事業の定義とドメインの定義は、戦略的思考を掲げる上で、出発点であり、一番初めに考えるべき重要な部分です。
ドメイン・ミッション・長期目標・パラダイム・事業コンセプト・企業ビジョンが、類義語として、挙げられます。
ある種哲学的な話のように見えてしまうこともありますが、これがしっかりと定義されている場合とそうでない場合でな、具体的な仕事に差が出るものです。
とある製品メーカーに「あなたの会社は何の会社ですか?」と聞くと、ある社員は「◯◯を販売する会社です」と言い、一方では「◯◯の総合メーカーで、◯◯業界のトップシェアを担っています」と答えるかもしれません。
自分たちが何の仕事に携わっているのか、いったいどのような事業なのか、誰に対してどのようなサービスを提供しているのか、そもそも何のために会社が存在しているのか、これをしっかり定義し、現場に至るまで共有するのが理想と言えます。
PPMなどで見えた市場シェアや市場成長率も、事業を定義しなければ計算もしづらくなります。
自分の会社、もしくは事業部がリーダー企業として振る舞うべきか、それともニッチャーとして振る舞うべきか、
そこがしっかりしていれば、市場シェアや市場成長率に合わせて、変化・成長・対応が担当者にも見えやすくなります。
企業が利益を生み、成長していくには限られた資源を有効に活用し、競争に勝っていかなければなりません。
事業の定義・ドメインの定義は必ずしも一つとは限らず、高度に多角化戦略を展開する企業ではもちろん複数の定義が必要となります。
日々の業務の中で、本来とは違う暗黙の定義を携わっているという感覚ではいけないのです。