業界に新規参入が生じると、激しい競争が展開され、業界の利益ポテンシャルは大幅に下がってしまいます。
そのため、新規参入が起こらないよう注意しておかなればなりません。
新規参入の脅威がどれくらいあるかは、参入への障壁がどれくらいあるか、そして、既存企業から受けると予想される反撃の強さの度合い、これによって決まる。
主な参入障壁は?
■規模の経済とシナジー効果が大きい。
規模の経済性とは、一定期間内の生産量が増えるほど製品・サービスのコストが下がること。
規模の経済性が発揮される業界では、新規参入業者は最初から大量生産に踏み切るか、コストが高い少量生産でのスタートになるため、参入しづらくなる。
■新規参入企業が規模に関係なくコスト面で不利な場合
経済効果が大きく作用しているようなケース。
経済効果とは、これまでに生産してきた数量が多ければ多いほど会社に経験が蓄積されて、1個当たりのコストが安くなっていることをいう。
■大規模な運転資金が必要である
巨額の開発費や運転資金が必要な業界は回収リスクが高いため、参入しづらくなる。
顧客にレンタルやローンで提供するのが当たり前になっているような業界。
■流通チャネルへのアクセスが困難
ブランド認知が高く、すでに既存企業によって流通チャネルがほとんど埋め尽くされている場合、参入しづらい。
■製品差別化の程度が高い
業界にブランド認知度が高い企業が存在すると、新規参入業者はそれを覆すための莫大な広告費用が必要になる。
例えば、カゴメのケチャップやキューピーのマヨネーズなど、すでに消費者の目から見て高度な商品差別化が行われてきた。
■政府の施策・法律
許認可制や公害・安全性を求められる、政府の規制がある業界の場合、参入しづらい。
例えば医薬品販売など。新規医薬品の市場導入まで約10年かかると言われている。
予想される反撃の強さは?
新規参入をしたら既存企業から激しい反撃を受けます。
既存季魚は「いつでも強力に反撃するぞ」という姿勢をとるでしょう。
しかしフリだけの場合もあります。
以下の3点に注意をおきます。
- 実際に既存企業が以前に強力な反撃をしたかどうか。
- 反撃するための資金などを既存企業が豊富に持っているかどうか。
- 産業の成長率が低いかどうか。
既存企業間の対抗度と同様、新規参入の脅威についても、ひとつひとつ要因を洗って、最終的に「新規参入の脅威が大きいか低いか」を判断することができます。
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