2014.02.24 Mon

製品サイクル 導入期 / 成長期 / 衰退期

生き物と同じように、製品に一生があると言われている。
急速な売上成長を描いている製品も、やがて成熟していく。

製品のライフサイクルには、

  1. 導入期
  2. 成長期
  3. 成熟期
  4. 衰退期

の通常4つに分かれている。

製品サイクル 導入期

導入期とは、文字通り新製品を導入し始めたころのことです。

この段階は、利益も少なく、競争相手もまだ少ない段階です。
この時期の重要な考え方は、まずは市場の拡大です。
まだ競争相手も少なく、互いに争うのではなく、互いに市場を拡大した方がいい。
同時に、導入期において製品の普及率が少ないことには、いくつかの理由が挙げられます。

ひとつは、その製品製品をまだ顧客が認知していないこと。
また、製品自体の認知はしているが、有効な使い方を知らないことである。

そのような普及を妨げる要因を掴み際には、アイドマ(AIDMA)と呼ばれる購買行動のモデルに当てはめていくわかりやすいです。

AIDMAモデル

認知段階
:Attention(注意)
感情情段
:Interest(興味、関心)
:Desire(欲求)
:Memory(記憶)
行動段階
:Action(行動)

アイドマモデルの5ステップのどこかに問題があるかもしれない。そう仮定するとボトルネックが見つかりやすくなります。

消費者が製品に対して、そもそも知られていないのか、関心をもっていないのか、欲望が喚起されていないのか、欲望が長く記憶に残らないのか、最後の購入行動が取りにくいのか。

など、様々な可能性を整理し、考察するのに、このアイドマモデルはとても便利です。

※インターネットが普及以降は、「AISAS」に変わったと言われている。
AISASでは、AIDMAにあった「Desire」と「Memory」を「Search(検索)」に置き換え、「Action」の後に「Shere(共有)」を追加しています。

導入期ではほとんど横ばいの推移を示し、成長期では大きく上昇するように推移するのが、理想となります。

それでは、いかにして成長期を乗り切ればいいのか。

製品サイクル 成長期

導入期で獲得した顧客の満足度を上げるとともに、自社のブランドを高め、そのようなブランド選考の傾向をもつ顧客を獲得していかなければなりません。

いわゆる「ファン」を作るとでも言うのでしょうか。

導入期では、その製品・サービスの本質機能を十分に兼ね備えたものができているはずです。
その本質機能に加えて、補助的サービスを加え、独自色を打ち出し、競合との差別化を図っていくのです。
この補助的サービスが顧客の心を掴むのです。

また、この時期は製品の数量も伸びていく時期でもあるので、流通チャネルを開放型へと転換し、流通のマージンを減らしていく施策も必要です。

同時に、プロモーションの手法もマスコミなどを使用したマス広告だけでなく、プル型のダイレクトマーケティングの手法に注力するなど、アプローチの仕方を製品ライフサイクルに合わせて、
最適化を図っていくのです。

製品サイクル 衰退期

製品ライフサイクルの衰退期は、その業界全体の売上が現象する時期です。
各社とも主要な製品機能ほとんどを盛り込み、どこのメーカーの商品を購入してもほとんど差がないような状態です。

一時期のVHSビデオテープなどがわかりやすい例かもしれません。
価格も下がり、壊れても修理せずに買い換えられるようになります。(コモディティ)
また、製品機能がほぼ同レベルとなると同時に、顧客も製品に対する関心を失い、あるいはブランドとして認識しづらくなります。

この衰退期になってから買い手として現れる顧客を遅期追随者(ラガード)といいます。
この人たちは、とても保守的な人で、情報に疎くこの時期になって初めて買う、あるいは製品を知る、といったタイプのひとたちです。

このように衰退期には、製品と顧客の両面でコモディティ化に進展します。

衰退期に対する選択肢

この衰退期に対する選択肢は、以下の4つにまとめることができます。

イノベーション

市場全体をもう一度拡大する方法を見つけ出す。

ポジション変更

その製品の新しい用途や市場を見つけ出す。通常はニッチ市場

撤退

タイミングを計らって撤退する

継続

他の企業が撤退するのを見計らって、残存利益を獲得。
この場合、M&Aを通じて、積極的に業界全体を再編する。

このように、衰退期には需要が余地のあるセグメントにポジション変更したり、需要が残るセグメントの一部をしぶとく獲得したり、または企業が撤退するの見計らったりと、他の製品ライフサイクルとはまた違った視点で見ていくことが求められます。

製品サイクル まとめ

導入期、成長期、衰退期と推移する「製品ライフサイクル」、もちろん必ず単純なS字型曲線を推移するわけではありません。
製品分野によってパターンの違いが出てきます。

パソコンのような製品の場合のように、導入期に製品・使用法の説明が強く必要とされるケースを想定してみてください。
この場合、主たるプレイスが地元の小売店→量販店→ECサイトへ、パターンを描いていく可能性があるのです。

導入期

導入期においては、一部のマニア層を除くと、初期セッティング時には必ずお店の人のサポートが必要となる。
そうなると、地元の小売店や24時間対応してくれる面倒見のいいお店がプレイスの中でも大きく締める。

成長期・成熟期

成長期、成熟期に入ると、ある程度普及し、パソコンに詳しい人が近くにいるようになる。
アドバイスがタダになるので、安さを求めて、郊外の量販店なども視野に入ります。

さらに普及していくと、カタログスペックだけで大体の性能がわかるようになると、手軽で安いインターネット通販を利用し、サポートもインターネットを使用するようになる。

このように小売店から大型量販店、インターネットへとチャネルが変化していきます。
このチャネルに合わせて、メーカーの対応も考えておかないと大きな問題に直面することになるでしょう。

いかがでしたか?

これらの製品サイクルは予測はとてもむずかしく、必ずそうなるということはおそらくありません。

しかし、この理論を知っておくことで、常にどのような次の手を考えておかなければならないか、
心の準備をすることができます。

マーケティング戦略を策定する上で、とても重要なことなのです。

WRITERこの記事を書いた人

横山祐樹

横山祐樹

株式会社ジーニアスウェブ 取締役 お客様の課題と問題の両方を解決するべく、日々取り組んでいます。

株式会社ジーニアスウェブ 取締役 お客様の課題と問題の両方を解決するべく、日々取り組んでいます。

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