企業がネットで集客するためのSEO講座 予算をかけずに集客する秘訣は?
インターネットはいまや誰もが日常的に使っており、重要な社会インフラとなっています。インフラであると同時にメディアでもあり、既存のマスメディアを凌駕する勢いで成長を続けている段階です。
この流れはビジネスにも押し寄せています。どんな企業でも、オフィシャルなホームページやブログ、SNS等を持っているのが常識になりましたね。しかしどの会社でもどの店舗でもネット進出しているため、競争も熾烈になってしまいました。
このようなネット上での商戦が激化していく今、ネット上で確実に集客していくために需要が高まっているのが「SEO」です。SEOがうまくいくと、ネット上からの問い合わせや相談、さらには発注を増やすことができます!
なおSEOの料金体系は、企業によってバラバラですね。ただうまくいけば投じる金額を抑えながら展開してくこともできるのです。
ではSEOはどうやったらうまくいくのでしょうか? 最新の情報を大まかにまとめてみました。
目次/このページでわかること
よく出てくる「SEO」って? 何の略称? 何を意味する言葉?
SEOとは? いったい何なのか
SEOとは「Search Engine Optimization」という英語の頭文字をまとめたものでした。そのまま訳すと「検索エンジン最適化」となります。
検索エンジンは、インターネットというものの原点といえるのではないでしょうか? 世界中に無数につくられてきた膨大なホームページ群の中で、興味のあるページを探したいと思ったら? 「検索」に頼るしかありませんね?
Googleがダントツに有力な検索サービスですが、Yahooも日本では根強い人気がありますね。Yahooはポータルサイトですが、大きなポータルサイトは軒並み検索サービスを設置しています。
さて、この検索エンジンをなぜ「最適化」しなくてはならないのでしょうか?
検索順位がいいか悪いかで、Web集客の運命は大きく分かれます
これは、正確に書くと検索エンジンの「使われたときの結果」を最適化するものとお考えください。何しろ、検索エンジンの結果は何十ページも出てくることがザラですが……、その全部を丁寧にチェックする消費者はめったにいません。胸に手を当てて思い出していただきたいのですが、「1~2ページしか見なかった」ということのほうが圧倒的に多いでしょう!
1~2ページ以内ということは、検索順位の上位1~20位以内ということですね。それくらいの高い順位に入らないと、「消費者に見てもらえるチャンスがほとんどない」ということです! ちなみにスマホの場合は、今では何ページ分も表示されなくなってしまいましたので、なおのこと上位に残る必要性が高まっているものとお考えください。
ところでGoogleやYahooの検索窓は、どんな言葉や文章を入れても結果を表示してくれますね。あの結果は、適当に決まっているのではありません。
検索エンジンのメカニズムとは?
インターネットがスタートしてから四半世紀以上の歳月が経過していますが、検索エンジンは早くから、世の中の大量のホームページの情報を収集してきました。これは、どんな検索エンジンも「クローラー」と呼ばれる独特の精巧なプログラムを内包しているためです。
このクローラーは、アップロードされた大量のWebページの情報を調査します。たとえば、各ページ内に書かれている文章をはじめ、HTMLソース内の指定項目や画像等、分析できる情報はたくさんあるのです。
これらの情報は読み取られると、検索エンジン内で分析されます。そして、「どのようなキーワードで検索されたときに、どれくらいの順位に表示させるのか?」それが決まっていくのです。検索順位を決めるシステムは「アルゴリズム」と呼ばれますが、このアルゴリズムは年々精度が高まっています。たとえば10~20年くらい前は、アルゴリズムの質がまだ劣っていたため、前述した「検索エンジン最適化」の作業もかなりシンプルだったのですが……今では比較するとずいぶんと複雑ですし、取り組まなければならない作業量も増えています。
※新しくつくられたばかりのWebページも、あっという間に分析されますね。どんなキーワードでどんな順位で表示させるのか? その過程を「インデックス」と呼びます。Webページを新設したら、狙いたいキーワードで上位に並べてもらえるようにインデックスさせることを目指したいところです。
Web集客したい企業・店舗・事業者……にとって、真っ先にやらなければならないことは?
1 狙いたいキーワードを決める
ユーザは、とにかくほしい情報が出てきたらそれをキーワードにして検索を試みるでしょう。
たとえば、美容業界であれば??
ダイエットしたい情勢であれば「ダイエット」をキーワードにするでしょう。
ともかく急いでいる女性なら「ダイエット」1語だけで検索するでしょう。
しかしそうすると、ダイエットの雑多な情報が出てくるかもしれませんね。
そこで、ダイエットの方法を絞ることでしょう……エステに行きたいのなら「ダイエット エステ」で、サプリメントを使いたいのなら「ダイエット サプリ」がキーワードになるでしょう。
※検索フォームには、たくさんのワードを入れることができますがユーザはだいたい「1~2語」で検索します。多めの場合なら「3語」使うこともけっこうあるのですが。
2 キーワードに合わせた、SEOを目指す(キーワードに合わせた検索エンジン最適化を目指す)
検索エンジン最適化……の具体的な手順は、このページの後半でこれからご説明させていただきますが、キーワードが決まるとそれに伴い、そのWebページ内で行うべき施策が次々と決まっていきます。
SEOのメリット~成功したとき、どれくらいいいことが起こるのか~
注目度がとても高まる/集客の成功率も高まる
「検索順位が上位に入れないと、なかなかユーザがよく見てくれない」と、少し上のほうで書いたばかりですが逆に言うと? 「検索順位が上位にもしは入れたら? ユーザがよく見てくれる」ことになります。
これに関しては、はっきりとしたデータがありますね。アメリカの企業が、Googleでの検索順位とトラフィック数の関係を公開したことがありました。
※トラフィック数とは? ネット上を移動した通信料を意味する言葉です。クリック数・アクセス数という意味ではありませんが、クリックやアクセスが増えないと通信料もなかなか増えにくいですし、消費者がよく集まっているときにトラフィックが増えることは間違いありません。
このように、上位1~3位、特に検索順位第1位のサイトの成績はとびぬけています! やはり1位になると、他の追随を許さない勢いで注目してもらえるのです。
他の広告・PR手段と比べて予算がかからない
SEOにも予算はそれなりにかかってしまいますね。しかし、既存の広告手段はもっとコストがかかる恐れがあります!
- 放送(TVやラジオのCM)
- 紙面・誌面(新聞・雑誌・フリーペーパー等)
- チラシ・ビラやDM
これらの広告は、いずれも「出すたびにコストがかかる」という性質を持っていますね。
1回成果が出た……としても、その効果は永続的ではないでしょう。
効果がなくなったら、そのたびに広告を出稿することになります。
ではSEOの場合は、いくらかかるのでしょうか?
これは「相場」といったデータをなかなか用意できないため、判断が難しいところです。ただ、SEOの調査や施策の決定等を外に出すなら、その業者には継続して報酬を払うことになるでしょう。業者に任せない場合でも、自社のサイトやブログ等を随時変えていかないといけません。したがって、そのためのコストは常にかかります。
なお業者への依頼についてですが、業者が設定している価格にはかなりの格差があります!
なるべく多くの業者に見積もりを取るなどして、じっくりと検討したほうがいいでしょう……ちなみに報酬が高額だからと言って、その業者のサービスの質も高いとは限りません。今では中小企業専門に、SEO等の施策をリーズナブルな価格で提供している業者も発見できます。
SEOのデメリット~欠点があるとしたら? 何に用心すべき?~
便利なSEOも、さすがにいいことずくめではありませんね。では、主なデメリットをご紹介させてください。
1.効果が出るまでに時間がかかる、なおかつ失敗のリスクも少ないとは言えない
お金がかさんでしまうという弱点があるとご紹介した、以下の方法ですが…
- 放送(TVやラジオのCM)
- 紙面・誌面(新聞・雑誌・フリーペーパー等)
- チラシ・ビラやDM
これらは逆に言えば、お金を出して出稿すれば、おそらく近日中に実行されるでしょう。
したがって、いつごろに反響があるのか何となく予想ができるはずですね。
ところがSEOの場合は……
- 検索順位がいつころ上がるのか
- アクセス数やクリック数がいつごろ増えるのか
- お問い合わせや発注がいつごろ増えるのか
いずれも、何とも言えません!
※経験を積んだ業者に依頼すれば、Webページを公開して、2~3週間以内に順位がある程度上昇することが多い模様です。とはいえこれも、あくまでも大まかな傾向ですね。
SEOの効果が出るまでに、数ヶ月かかったという体験談はたくさんあります。早い話、長期的なチャレンジに耐えうる精神力を養うことが大前提です!
また、いったん上がった順位が落ちないようにするために継続的な施策が要求されます。
2.キーワード選びの際に判断をミスすると、失敗のリスクを自ら増やしてしまう
これは早めに認識していただきたい点ですが……キーワードの決定には熟慮が必要です!
たとえばダイエットサプリを販売する店舗でしたら、上記の例「ダイエット サプリ」がキーワードになるのが当然でしょう。とはいえ、競争相手の多さにも目を向けなくてはいけません。ダイエットサプリを製造するメーカーや販売するショップは山のようにありますし、どこも「ダイエット サプリ」での検索上位を目指しています。こうなると、超大手の店舗が上位を独占してしまいます。そこに対抗するのはかなりのハードルとなるでしょう。
もちろん、敵が強い場合でもあえてSEOの勝負に挑むことはできますし、成功した事例もあります。ただ中小企業の場合は、最初のうちはなるべく競争相手が多いキーワードを選ぶのではなく、ある程度敵の少ないワードでSEOを試みたほうが失敗を避けられるでしょうね(この点は、各ワードの「検索ボリューム」を調査することで、判断できるようになります。検索ボリュームの調査は、今では無料のツールでもわりと気軽に調査できますね)。
いまどきの企業がSEOにトライするなら? 具体的な手法
検索上位に表示されるためにやったほうがいいことは、細かいことを含めると山のようにあります! そのすべてをご紹介することはとてもできませんが、ある程度的を絞ってご紹介しましょう。
※「キーワードの決定」や、「SEOの専門業者への依頼」といったすでに大まかに取り上げているポイントは除外させていただきます。
1.内部施策
Webサイトの内部で取り掛かれる施策を、まとめてご紹介しましょう。
1-1.各ページのHTMLソース内の施策
ホームページはすべて、HTMLで記述されます。その中に、キーワードに合わせた内容を各項目に書き込むことで、SEOにおいてよい効果を出せるようになります。
- タイトル
- Description
- Hタグ
- パンくずリスト
- リード文
- ……etc.
1-2.画像に関する施策
画像は、サイトのわかりやすさを引き出す上でとても大事ですね。
その画像ですが、ALT属性を忘れずに書き込んだり、サイズ・画質をほどよい状態にしたり……と、SEOのために必要な配慮がいろいろとありますね。
※画質は、もちろん高いほうがでクリアになりますし見た目にはよくなりますね。
ただし画質を追求しすぎるとサイズが重くなります。サイズが重いと、ネットユーザがそのWebページにアクセスしたときに、何が起こるでしょうか?
重い画像は読み込みに時間がかかります。したがって過度に重い画像が何枚も使われていると、ページの表示全体が遅れてしまうのです。最悪の場合は、読み込みが途中で止まって画像が切れてしまうこともありえますね。
正しく表示されないページは、ネットユーザには歓迎されません。そのページを見ることをやめてしまう恐れも出てきます! これを避けるには、「ほどほどの画質」&「ほどほどのサイズ」を目指すことが要求されます。
また、画像は文面とできるだけマッチしている画像を選ぶことが理想ですね。手ごろな画像が手元にないからと言って、あまり関係のない画像を出すことは、できれば避けたいところです。関係性の薄い画像を入れているからと言って、それだけでSEOを悪化させるわけではありません。ただ、関係性の高い画像(できればオリジナルの画像)が入っているほうが検索エンジンにもネットユーザにも好まれる見込みがあるものと思ったほうがよいでしょう。
2.外部施策
内部施策の反対語が外部施策。ようするに、自社のサイトの外で行われる施策、というニュアンスになりますが……現在は、SEOにおける外部施策は外からのリンクを意味することが多いです。
2-1.「リンクビルディング」を中心とした被リンク対策
「被リンク」とは何でしょうか? これは「リンクを受けること」ですね。
リンクは、WebページとWebページをつなぐ重要な仕組みですが、よそのWebサイトからリンクをしてもらうことはとても有意義です。リンクを受けることで、よそのサイトから訪問してくれる方も当然増えますし。これを「リンクビルディング」と呼びます。
それに被リンクを増やすことは、SEOにも影響します。ただし、どんなところからでも被リンクが集まればよいということではありません。かつては、「ひたすら被リンクの数を増やせばいい」という時代があったのですが、今では質が重要です。関係性の高いサイトや信頼性の高いサイトからリンクを多く集めることがベストでしょう。
2-2.ソーシャルメディアによる拡散「サイテーション」
FacebookやTwitter、InstagramやLINEと人気の高いソーシャルメディアで自社のサイトのページを拡散することは被リンクを増やす上で大いに有効ですね。これを「サイテーション」と呼びます。
特に、中身の濃いWebページをつくり上げることができたら、SNSを使ってじっくりと拡散しましょう。目をとめたユーザがシェアやリツィートを通じて拡散してくれたらしめたものです。
※SNSで、自社のサイトやブログを引用してもらうには、引用しやすくする工夫が大事です。人目をひきつける記事名を心掛けることも大事ですし、印象に残るサイト名を考えることも大事です!
3.コンテンツマーケティング
SEOと並行して進めたいのが「コンテンツマーケティング」です。これは、ネットユーザに対して価値の高いWebコンテンツを提供することを意味します。
ネット上の不特定多数の消費者に向けて、質が高いコンテンツを継続的にお届けすれば、自然とサイト全体の評価が高まります。サイトへの継続的な訪問者を増やすことにもつながりますし、長い目で見れば集客の成功をもたらしてくれるのです。
また、質の高いWebページを継続的に生み出せば、SEOにも好影響がもたらされます。Googleのような検索エンジンも、ネットユーザの役に立つコンテンツを含む記事を評価する傾向を強めているからです。「HOWTOコンテンツ」や「~とは?コンテンツ」がネット上に多いのは、れっきとした理由があるのです。
※その意味では、やたらに企業色の強い内容を盛り込むことは自重すべきでしょう。自社のPRは、一般のユーザがしつこいと感じない程度にとどめるべき。時事ネタも、多少ならユーザの関心を刺激する役に立つのですが、時間がたつと鮮度が落ちてしまいますし使い過ぎはよくありません。
4.ロングテールSEO
ロングテールSEOとは、狙っているキーワードと一緒によく検索されているワードを重視したSEO施策全般を指します。
SEOでは、目標とするキーワードは上述しているように通常なら1~2語、多くても3語です。これらのキーワードは「ビッグキーワード」と呼びます。
そして、それらのワードと一緒に検索されるワードを「複合キーワード」と呼びます。複合キーワードは、もちろんビッグキーワードと比べたら意識する必要性はかなり低いですが……1語1語が少しずつ需要を持っているわけです。
これらの複合キーワードをなるべく利用することで、たくさんのネットユーザの関心を集めることが可能となるのです。
やってはいけないSEOもある?
さて、ここまでSEOの方法論をなるべく多めにご紹介してまいりましたが、あえて取り上げてこなかった方法論もあります。
実はその中には、手を伸ばすべきではない方法論もあるのです。「ブラックハットSEO」という言葉がありますが、これは今の検索エンジンが高評価しないページ(品質の低いコンテンツを含むページ)を、強引に上位表示させようとするものです。
すでに軽くふれていますが……、ひと昔前は単純なテクニックだけで上位表示される可能性がけっこう高かったのです。
「被リンク対策」でいえば、関係性や信頼性のないWebページからリンクされているだけでも通用した時代があったのです。このため、中身の薄いWebサイトを大量に用意して、そこからリンクさせるだけでも検索順位が上昇した時代がありました。中には、中身の薄いWebサイト同士を相互リンクさせることで、各サイトの順位を一度に上げていた会社もあったほどです!
しかし検索エンジンの精度が上昇した結果、このような方法論は「悪質な手口」と判断され、わりと簡単に見抜かれてしまうようになりました(リンク集への登録、も今ではほぼ通用しません)。
では、一連のブラックハットSEOを今からまねしてしまうとどうなるでしょうか? 悪質なWebサイトと断定されてしまう恐れがあります。いったんそうなると、上位に表示されるどころではありません。圏外に追いやられてしまうと思ったほうがよいくらいですね。
・昔に通用していた方法論を今さら真似することは避けるべき
(被リンク対策に関しては、関係性・信頼性の高いサイトから受けること)
・自社のサイトにおいても、低品質なコンテンツ・空虚なコンテンツを決してつくらない・SEOを業者に依頼するときは、このような古めかしく悪質な手段を使わない業者を選ぶべき
まとめ:SEOは中小企業に対して、低予算でも集客できるチャンスを与えてくれます
SEOは、誰にとっても身近なWebサービスである「検索エンジン」を最大限に活用して集客できる方法論。しかも、他の広告・宣伝の方法と比べると予算を減らせるチャンスがあります。
- SEOは、検索エンジンの順位の最適化を目指す行為(任意のキーワードの順位を上げること)
- 成功すれば、自社のサイトを見てくれる人を増やせる上に発注等も増やせる
- もちろんSEOも万能ではない。施策の内容が幅広い上に多いし、やってはいけないことも多い
- 時間がかかるため、根気が必要。とはいえ、準備や計画を申し分なく行ってからチャレンジするなら、SEOは費用対効果の高い集客方法となる。チャレンジする価値はじゅうぶん
リソースに余裕がない中小企業にとっては、SEOの勉強や攻略は重荷に感じられるかもしれませんが、サポートしてくれる企業をつかまえることができたらその負担はおおいに軽減できるようになるでしょう。